徒然なる儘に ・・・ ⑤

心機一転、新たにブログ再開です💕 雑談を書くことも多いですけれど・・・(主に、電子ゲーム・ネタ💕)、残りは【新聞記事】にコメントを入れています💕

なんと天皇の「存廃」を議論するとは…あの読売新聞グループの名門論壇誌に何があった? 正論9月号 覆面座談会「メディア裏通信簿」 2024/8/4 12:00

都知事選の街頭演説で、有権者らとハイタッチする石丸伸二氏=23日午前、東京都豊島区(関勝行撮影)

先生 七月の東京都知事選はいろいろインパクトの強い面々が出馬して選挙戦が荒れて、面白くはあったな。政見放送で服を脱ぎ出す姉ちゃんとかもいて。

教授 あー、内野愛里氏のことですね。泡沫候補で「NHKで放送禁止用語を言ってやる」みたいな変な人は以前からいるんですよ。

先生 そうだな。こういうのは、既存の権威や権力に対する反対姿勢を示すパフォーマンスといえなくもない。でも内野は脱ぐと言いつつ全然、脱いでないし、「反権力」を掲げるなら逮捕覚悟で全部脱ぐくらいの気概でやってほしかった。残念だよ。

編集者 選挙後のインタビュー記事がネットの産経ニュースに出ていますが「水着は嫌。着衣だったら…」とか言ってますよ。本当に脱いでくれる候補の登場を今後、期待したいところです。

女史 バカじゃないの。

先生 今回、大きな問題になったのは政治団体「NHKから国民を守る党」が、ポスター枠を販売するという法の想定外のことをやった一件だ。それから選挙公報も、候補者でもない立花孝志の名前が何回も出てくるのは見苦しかったぞ。マスコミは「法改正が必要」とか言っていたが、それはたしかにそうだよな。

教授 少なくとも掲示板に顔写真を載せるのは本人に限るとか、一定の制限は必要でしょうね。

女史 泡沫候補の話題もいいけどもっと大事な話があるでしょ。

先生 それで思い出した。都知事選でまさかの三位に沈んだ蓮舫を支援した「市民連合」が公式インスタグラムで「一生懸命に応援した蓮舫さんが、1年後には忘れ去られているのでなければテレビのコメンテーターになってそうな泡まつ候補に抜かれてしまったのは、深く傷つく経験となりました」と書き込んでいたな。

教授 蓮舫氏を突き落して二位に浮上した前広島県安芸高田市長の石丸伸二さんは選挙後、メディアで引っ張りだこですね。むしろ蓮舫氏のほうが一年後に忘れ去られないよう、焦っているように見えます。

古市さんも論破した「石丸伸二」 意外な弱点が…

先生 今回の都知事選では、いわゆるショート動画が多用されるなど、選挙戦のやり方が以前とはガラッと変わった。若者はショート動画が好きなんだな。当選した小池百合子は自身が四十代半ばで子宮を摘出した話など、有権者の琴線に触れるような動画をつくって人間性を訴えていた。石丸の場合は、市長だった当時に市議会議員や地元紙・中国新聞の記者をやりこめる映像があるんだが、それをいろいろな人が短く切り取って拡散していたな。その短い動画を観て、若者は面白がっているわけだ。元の長い動画をきちんと観れば、石丸の普通の人が引いてしまうくらい攻撃的な一面もよくわかるんだが、そっちは長いから見向きもされない。

その点、蓮舫共産党に平身低頭する画像が流れるとか、動画の利用はダメダメだった。この動画利用の巧拙が、選挙の行方を大きく左右したといえそうだ。

女史 石丸さんのせいで、蓮舫さんがかすんじゃった。選挙の後も石丸さんばかり、マスコミが持ち上げてたし。

先生 それだけに立憲民主党共産党としては石丸を許せない。自民党にとって石丸は、かつて勢いがあったころの日本維新の会みたいな存在で無視できない。

維新としては自分の存在が否定されかねず、ここは石丸に抱きついてでも生き残りを図るしかない。というわけで政界は皆、石丸を中心に動いているような不思議な状況だ。

女史 石丸さんは選挙期間中、切り取り動画が奏功して票を集めたけれど、投開票日の午後八時以降の番組出演では暴走気味の発言も目立ったよ。

編集者 長々と出演するとボロが出てしまうわけですね。

先生 「この人ちょっと怖い人なのかも」というのが視聴者に伝わってしまった。

 

教授 投開票日の四日後、七月十一日のテレビ朝日系「大下容子ワイド!スクランブル」に石丸氏が出ていたのですが、それまで数日間の反省があったのか、ずいぶんと低姿勢で丁寧な受け答えをしていたのが印象的でした。もしかしたら本人に、攻撃的になるときと穏やかなときとの波があるのかもしれません。

女史 日本テレビ配信の「東京都知事選デジタル特番」で社会学者の古市憲寿さんと石丸さんが議論してたけど、やり取りがかみ合ってなかった。

教授 古市氏は人に対して自分が上位に立とうとするとき、必ず逆質問をするのですが、石丸氏がさらに質問を重ねてきたので、面食らってしまったわけです。何となく新しい論客のような顔をしていた古市氏の化けの皮をはがした点でも、石丸氏の貢献は大きかったといえそうです。ただ、テレビのコメンテーターとしては難点がありそうですけどね。

 

とはいえ、瞬間的なトリックスターの誕生ということで面白く見させてもらいました。週刊新潮が石丸氏について、蓮舫氏を〝終わった人〟にしたと書いていましたね。次の衆院選蓮舫氏は東京二十六区から出馬するとみられていましたが、それも相当、厳しくなったのではないでしょうか。

先生 石丸の言動を見ていると、政治家として個人プレーが得意のようだが、あれじゃあ国会議員になっても何もできないだろ。となると地方自治体の首長しかないが、首長だって議会と話をつけないといけない。マスコミも、あまり注目しすぎるのもどうかねえ。

ここにも旧統一教会が?

教授 ところで「石丸氏のバックに旧統一教会がいる」とのデマを左巻きの方々が流していますね。

編集者 根拠はあるんですか。

教授 石丸陣営が渋谷で街頭演説をした際に、たまたま見に来ていた元自民党事務スタッフの田村重信氏を、旧知の仲だった選挙プランナー藤川晋之助氏が捕まえて選挙カーの上で一言、話をさせたのだそうですが、田村氏は旧統一教会系の世界日報が制作するネット番組「パトリオットTV」で司会をしている。それで「接点がある」ということで、旧統一教会と石丸氏はグルになっている、というわけです。

 

女史 凄いねえ。「風が吹いたから桶屋が儲かったんだ」と言わんばかりね。

教授 安倍晋三元首相も同じような手法で旧統一教会と直結させられてしまったわけですから。

編集者 石丸さんの自己PR能力は、れいわ新選組山本太郎氏に近いものを感じるのですが。

先生 いや月とスッポンだろ。山本太郎のコミュニケーション能力はピカ一だぞ。会った人曰く、本当にいい奴なんだと。今、れいわ新選組の国会議員が八人もいるのは、ひとえに彼の人間力のたまものと言っていい。編集者は人を見る目がなさすぎだろ。国民民主党榛葉賀津也が「政治家は言い負かすのもいいけれど包容力も大事」と言っていたが、山本には石丸と違って包容力がある。

女史 ちょっと! いくら何でも山本太郎をほめ過ぎでしょ。

先生 だよな、ゴメン。

教授 ところで今回、あまり新聞を読んでいない人たちが石丸氏に投票したと巷ではいわれています。新聞社の社員として、編集者はどう思いますか。

 

編集者 いやあ、どうでしょう。

女史 都知事選の投票傾向をJX通信社米重克洋さんって人が分析してるんだけど、蓮舫さんの支持者が一番、新聞を読んでたんだって。一方で石丸さんや小池さんに投票した人はどうかといえば、新聞を「大いに参考にした」人は一割もいない。

石丸さんは敵と味方をハッキリ見極めて「俺の支持者は新聞なんか読まないんだから、何を書かれても構わない」と割り切ってるのかもよ。

そしてアベマとかのネット番組に出るときは愛想を振りまいている。ニコニコ動画やアベマを観る人は支持してくれる、と見定めてやってるんじゃないかな。

先生 毎日新聞を読んでいたら、立憲民主党代表代行の辻元清美蓮舫惨敗について「政党としても私個人としても、やっぱりもう古くなったのかな、もう通用せえへんのかなとか、ちょっと思った」と言ってた。新聞と蓮舫は、もう古くなったってことかね。

 

女史 ところで都知事選でラジオの開票速報を聞いていたら、小池さんは勝因について「政策目標の九割を推進、達成し、実績を評価していただいた」って豪語してた。翌八日にそれに注目してたのは東京新聞くらいだったけど、これってどうなのよ。

教授 「九割」などというのは小池氏の大言壮語というか妄想の類でしょうから、他紙は「取り上げるに値しない話」だと判断して掲載を見送ったのでしょう。

先生 小池は八年前に掲げた「七つのゼロ」なる公約にしてもほぼ実現ゼロじゃないか、元都知事石原慎太郎と比べると何もやってないに等しい、とよく指摘されてるな。築地から豊洲への市場移転ではムダに時間をかけたり、新築住宅への太陽光パネル設置を義務化するとか余計なことばかりしてるし、心ある都民は全く評価してないだろ。

編集者 しかし、それでも都民は小池知事を評価したから三選を果たしたわけでしょう。マスコミもそれは認めているわけです。

 

先生 一応、小池は保守派の政治家だし、左巻き勢力に都政を取られるよりはマシ、という判断で選ばれたんじゃないのか。「今回の選挙は誰も投票すべき候補がおらず、都民に対する罰ゲームだ」という声もあったほどで、だから石丸が百六十五万票も集めることになった。

蓮舫が石丸にも負けたのは「小池は嫌だけど蓮舫はもっと嫌」という都民が、それだけ多かったということでしかない。

教授 大きな声では言えませんが私も蓮舫さんは嫌なので小池知事に入れました。苦渋の決断です。たしかに「罰ゲーム」に近い感覚がありました。

女史 なんだ、結局、教授も小池派か(笑)。でも、蓮舫さんはやることなすこと全て裏目に出ていたよね。支持者が街のあちこちに「R」のシールを貼りまくって、選挙が終わってもはがさずに知らんぷりとか。

編集者 なぜ蓮舫さんはこんなに嫌われるんですかね。

女史 今さらそんなこと聞くの? ちびまる子ちゃんじゃないけど、♪そんなの常識~でしょ。

 

教授 あの攻撃的な姿勢は、誰だって辟易しますよ。あの笑い方だって作り笑いにしか見えませんし。

女史 さらに輪をかけて取り巻きがアレすぎる。「R」シールにしても、かつてのシールズ(SEALDs)の残党が貼ったともいわれてるけど、さもありなんと思った。

先生 あと凄かったのが法政大学教授、山口二郎ハンギョレ新聞(電子版)への寄稿。「小池氏は『名誉男性』である。だから、この選挙戦は女の戦いではなく、名誉男性と女性の戦いである」と書いている。さすが「安倍は人間じゃない。たたき斬ってやる」と放言しただけのことはある。

女史 小池さんを「名誉男性」なんていうのは、さすがにアウトでしょ。さらに山口さん、「小池氏は、関東大震災における朝鮮人虐殺の犠牲者に対する追悼メッセージをかたくなに拒絶するという点で歴史修正主義者であり、まっとうな人権感覚を持った政治家とは言えない」とまで罵倒してる。これはあまりにもひどいんじゃないかしら。

 

先生 もう山口は怖いものはないんだろうな。ああいう取り巻きに囲まれている蓮舫がかわいそうに思えてくる。別に、蓮舫自身は左翼じゃないはずだ。本人に何の主義主張もあるとは思えない。

そこまで堕ちたか中央公論

教授 取り巻きといえば今回、あの前川喜平氏が蓮舫を応援していて、仮に当選の暁には前川氏が副知事になるとか都の教育長になるともいわれていました。それで、都の朝鮮学校への補助金を復活させるというのです。朝日新聞も最近、補助金復活を盛り上げる記事をよく載せていますが、そんな「政策」が周囲から飛び出してくるわけですから、普通の有権者が逃げ出すのは当然の話でしかありません。

先生 ところで七月四日付の朝日新聞に「国会、野党は権力闘争に立ち返れ 元衆院事務総長・向大野新治氏」という記事が載っていたんだが、もう見出しだけで仰天ものだろ。まさかこんなド左翼が、議会の事務方トップを務めていたとはな。それを知ることができたという意味では、朝日の記事はいい記事だった。

 

教授 向大野氏は以前にも朝日に登場していましたが、今回の記事が一番、過激ですね。しかし、この「権力闘争」という言葉ですが、暴力を内に含んでいるというべきか、もはや革命志向の香りがしますね。学生時代に何らかの活動をしていた人なのでしょうか。このような得体のしれない人物が元衆院事務総長ですか…。

編集者 この人は今、学習院大学特別客員教授ですよ。それで思い出したのですが「中央公論」八月号に「『安定的な皇位継承』は実現できるか」という、明治学院大学原武史名誉教授と名古屋大学河西秀哉准教授との対談記事が載っていました。二人とも女系容認ではないですか?

教授 その二人の対談という時点で、中央公論がよく載せたものだと思いますね。編集方針が変わったのでしょうか。

編集者 少し前まで読売新聞から来た女性編集長だったのですが、こんどは中公新書編集部から来た編集長になったようです。

 

女史 原さんが「私は、天皇制の存廃にまで踏み込んだ議論をしなくてはいけない、そういう段階に来ていると考えています」と言って、河西さんが「原先生の論理を突き詰めれば、そうした議論になるのは理解できます」と応じてるね。これが岩波書店の「世界」とかに載るのならまだわかるけど、中央公論がここまで載せるとは、世も末ね。

教授 悲しいことですが、これが天皇や皇室について研究している学者の大半の本音なのです。

河西氏は「天皇制の存続は国民統合のために必要だ」とは言っています。しかしその天皇は男系の血筋によって決まるわけで、そこを外してしまったら「では誰でもいいのですか」という話になり、行き着くところは原氏と同様、天皇制の廃止ということになるのです。

この対談では、もう男系による皇位の継承は無理なのだから女系も認めろと主張して、その先には皇室制度の廃止もやむなしと言わんとしているわけです。しかし、正統性の観点からいえば女系など天皇ではありません。

 

女史 そもそも「女系天皇」って言葉自体が変なんだよね。

教授 中央公論ともあろうものがこうした対談を載せるとは…。

先生 版元の中央公論新社読売新聞傘下に入ったとはいえ、読売はそもそも保守とは言えないぞ。

安定的な皇位継承に向けて与野党で議論をするとなると、どうしても変な話も出てくる。だから当面、現状のまま放っておくべきだという声もあるな。与野党の議論がまとまらないから与党単独で、というわけにもいかないし。

教授 そうなんです。そこが頭の痛いところです。来たる九月の自民党総裁選で変な人が総裁になったら、これまた大変なことになります。

先生 そうだな。読売や中央公論は頼りにならないから、産経新聞と正論にしっかりしてもらわないと困るぞ。

朝日が「極右」から軌道修正

女史 ところで米大統領選に向けた動きが、これまた大変なことになってるね。トランプさんは撃たれるし、バイデン大統領は頼りなくて候補から引きずり降ろされちゃったし。

 

先生 バイデンは、ゼレンスキーとプーチンを間違えたり、もう散々だな。でも民主党が大統領候補を差し替えたとしても、トランプには勝てないだろう。

編集者 選挙といえば欧州も大変なことになっています。英国では政権交代がありましたし、フランスでは「極右」勢力が躍進しました。

女史 フランスの総選挙では、決選投票で「極右」が失速して左派連合が首位っていう結果になったよね。

AFPが報じてたけど、勝った左派連合の幹部たちが集まった支持者と一緒に仏国歌「ラ・マルセイエーズ」を歌って勝利を祝ったそうよ。これは日本じゃ絶対に起こらない現象でしょ。共産党が選挙に勝って「君が代」を歌う場面なんて、想像できない。ここが欧州など外国の左派と日本の左派の違うところだな、と思った次第。

編集者 ところで今回、躍進したフランスの国民連合を、朝日新聞は極右扱いしていないのです。

 

先生 でも産経新聞は「極右」扱いしてたじゃないか。

編集者 そうなんですが…。ただ産経では、前パリ支局長の三井美奈記者が「フランスの『極右』とは誰なのか」と疑問を呈しています。なお正論では、青山学院大学の福井義高教授が二〇一七年四月号で、早くも「極右」呼ばわりに疑問を呈していました。

先生 イタリアの首相、メローニもかつては極右扱いされていたが最近、各紙とも軌道修正しているな。三井も書いている通り、極右の定義っていい加減なんだ。「メローニが政権をとってこれだけ安定した国政運営をしている以上、もはや極右とは言えないだろ」くらいの感覚で軌道修正してるんじゃないか。

フランスの国民連合だって、もう少しで首相の座を手に入れるところまで迫ったわけで、これだけの国民が支持している以上、極右とは言い難いだろ。そろそろ右派とか保守とか言い換えるべきだ。だけと欧州の新聞が皆「ウルトラ・ライト」と書いてるから、日本の新聞はそれを丸写しして「極右」と書くわけだ。

 

教授 日本の新聞は外国報道をそのまま引き写しますからね。

先生 そうした中で朝日が意外と健闘してるんだな。

女史 さすがは腐っても朝日。産経も見習わないと。

編集者 あんまり、いじめないで下さい…。

(一部敬称略)

月刊「正論」9月号から)