ローマ教皇庁(バチカン)は3日、7月26日のパリ五輪開会式にキリスト教徒らを侮辱するような場面があったとして「悲しみを覚えた」とする声明を発表した。表現の自由は尊重されるべきだとした上で「他者の尊重」を訴えた。
声明は「開会式の数場面に悲しみを覚えた。多くのキリスト教信者や他の宗教の信者にもたらした不快感を嘆く声に、われわれも加わらざるを得ない」と指摘。「全世界が共通の価値観の下に集うイベントで、宗教的信念を嘲笑するような暗示はあってはならない」としている。
開会式で問題となった場面は、レオナルド・ダビンチの名画「最後の晩餐」をパロディー化したとして、キリスト教関連団体や欧米の極右・右派の政治家らから非難が相次いだ。
芸術監督のトマ・ジョリ氏(42)は「最後の晩餐」とは無関係で、ギリシャ神話の異教徒の祝宴がアイデアにあったとしている。