徒然なる儘に ・・・ ⑤

心機一転、新たにブログ再開です💕 雑談を書くことも多いですけれど・・・(主に、電子ゲーム・ネタ💕)、残りは【新聞記事】にコメントを入れています💕

春秋(8月6日)

日本には何発の原爆が落とされたのか。本物は広島、長崎の計2発。しかしそれ以外に長崎のものと同形、同重量の「模擬原爆」が東京、大阪などに計49発投下されていた。違いは核ではなく爆薬を積んでいた点だ。重くかさばる新兵器を扱う訓練が主な目的とされる。

▼全国で400人以上が犠牲になった。単機で飛来し妙に大きな爆弾を1発だけ落とす不思議な空襲を、各地の新聞がどう報じたか調べた研究者がいる。偵察と思わせた不意打ち、空き巣戦法、虚をつき混乱させる児戯的謀略など、危機感は薄い。「一機の投弾でやられるのは余程(よほど)運の無い奴だ」という談話もあったそうだ。

▼ノンフィクションライター、関千枝子氏の著作に「広島第二県女二年西組」がある。終戦時にいた高等女学校2年(今の中学2年)の同級生らを追った本だ。8月6日は広島市内で建物の取り壊しに生徒39人が従事し被爆、38人が20日までに死亡した。引率の教師も生徒の1人を抱き1人を背負ったまま病院の庭で死んだ。

▼関氏は病気などで欠席し生き残った7人のうちの1人だ。遺族などを探し出し、聞き取りを重ねた。本は原爆が落ちる直前から始まる。生徒らは爆音を聞く。しかし空には1機か2機。何かをぶら下げた落下傘が落ちてくる。原爆投下に伴う観測機だがもちろんそうとは知らず、少女たちは指さしながら笑っていたという。