むしろ菓子は悲しみに寄り添うものである。
(平野紗季子)
◇
オンラインで菓子の店を開いたら、多くの人から気軽に「幸せ」と言ってもらえて驚いたと、フードエッセイストは言う。文章を書いてもこんなことはなかなかない。ある日、明日入社式があるという女性客は、不安でいっぱいの独りの夜にスイーツで自分をなだめようとしたらしい。それで菓子は人を救いもすると知ったと。随想「お菓子屋の日々」(「新潮」9月号)から。
むしろ菓子は悲しみに寄り添うものである。
(平野紗季子)
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オンラインで菓子の店を開いたら、多くの人から気軽に「幸せ」と言ってもらえて驚いたと、フードエッセイストは言う。文章を書いてもこんなことはなかなかない。ある日、明日入社式があるという女性客は、不安でいっぱいの独りの夜にスイーツで自分をなだめようとしたらしい。それで菓子は人を救いもすると知ったと。随想「お菓子屋の日々」(「新潮」9月号)から。