米共和党の大統領候補指名争いの初戦となったアイオワ州で、ドナルド・トランプ前大統領が圧勝した。トランプ氏がこのまま大統領選の本選にも勝つ可能性はあるのか。もしトランプ氏が大統領に返り咲けば、日本にどのような要求をしてくることが考えられるだろうか。
共和党の候補者争いでは、昨年3月ごろまではフロリダ州知事のロン・デサンティス氏がトランプ氏を追い上げていた。だがトランプ氏は独走状態となり、デサンティス氏は大統領選からの撤退を表明した。
このまま、大統領選がジョー・バイデン大統領対トランプ氏の争いになったら、現時点ではトランプ氏が優勢と伝えられている。
ちなみに、米国の政治情報サイト「リアルクリアポリティクス」の大統領選の「賭け率」は、トランプ氏が41・5、バイデン氏が30・0、その他28・5となった。昨年9月末にトランプ氏がバイデン氏を逆転して以降、差が拡大しており、トランプ氏が大統領に返り咲く可能性はかなり高まっている。
トランプ氏は、徹底的な「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」だ。これはかつて「モンロー主義」と呼ばれていたもので、米国人の多数の支持を得やすい。もともと米国自体が大きな国であり、自国以外のことには大きな関心を示さない傾向もある。トランプ氏はこうした米国人の平均的な支持を得ている。
トランプ氏が2016年11月に大統領選を制した直後、当時の安倍晋三首相は外務省の反対を押し切って渡米し、トランプ氏と面会した。安倍氏はトランプ氏の個人的な信頼を得て、安倍・トランプ時代には日米間で懸案は全くなかった。世界の指導者は、トランプ大統領を説得できない時には、安倍氏の助けを借りることも少なくなかったようだ。