徒然なる儘に ・・・ ⑤

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「悪いニュース」でも株高材料に 絶好調の米国市場に潜む危うさ 真海喬生=ニューヨーク 土居新平2024年2月15日 21時30分

 東京株式市場で15日、日経平均株価終値が3万8千円の大台を34年ぶりに突破した。強い追い風となっているのが、米国の株価上昇だ。昨年から繰り返し史上最高値を塗り替え、日本の株高にもつながっている。ただ、どんなニュースも「好材料」にする現状に、危うさを指摘する声も出ている。

 米主要企業でつくるダウ工業株平均は、昨年11月時点では3万3千ドル台だった。そこから先週末までの15週間のうち14週間で上昇。12月半ばに1年11カ月ぶりに史上最高値をつけてから何度も高値を更新し、今月12日には3万8797ドルに達した。

 米利下げと好景気への期待が、株価を押し上げている。米国の中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会FRB)は、2022年3月から利上げを開始。企業や個人がお金を使いにくくし、激しい物価高(インフレ)を抑えようとした。

 利上げは昨年7月まで続き、インフレは一定の落ち着きを見せた。市場では昨年11月以降、FRBがいずれ利下げに転じるという見方が強まった。

 失業率の悪化など経済にとって「悪いニュース」が出ても、株価は上がった。悪いニュースは、むしろFRBに利下げを促し、深刻な景気後退を避けられるとの解釈からだ。ダウ平均は昨年末までの2カ月間で4600ドル超値上がりした。

 ところが、年が明けると、今度は「良いニュース」を材料に株高が進んだ。昨年10~12月期の実質国内総生産GDP)が市場予想を上回る伸びを見せるなど好調な経済指標が相次ぎ、企業も好決算が続いた。早期利下げ観測はいったん後退したものの、好景気が続くとの期待から株が買われ始めた。

 とりわけ投資家の人気を集めたのは、低迷から復活した半導体銘柄だ。生成AI(人工知能)ブームによる市況の回復などで米半導体大手エヌビディアが年初から49%、ソフトバンクグループが出資する英半導体設計大手アームが68%と大幅に上昇した。

 米株高の波は日本にも直接及んだ。世界最大の米国経済が好調ならば、日本を含む世界経済にとっても好材料となるからだ。

 相場の牽引(けんいん)役はやはり半導体銘柄で、半導体製造装置の東京エレクトロンは年初から46%、半導体検査装置のアドバンテストは52%値上がりした。この2社は日経平均への寄与度が大きい「値がさ株」。15日も2社だけで日経平均を200円超も押し上げた。

 良いニュースでも、悪いニュースでも株が買われる。この上げ相場に乗り遅れまいという空気が、米国市場では広がっている。

 「誰も景気後退を見ず、備えもしない。自己満足の強気相場は崩れるだろう」

 08年の金融危機を予測したエコノミスト、デビッド・ローゼンバーグ氏は1月末、SNSへの投稿でクレジットカードの延滞率が悪化していることなどを指摘し、市場の楽観に警鐘を鳴らした。(真海喬生=ニューヨーク、土居新平)