今年の夏も日本に限らず、世界中が酷暑にあえいでいる。水分摂取や外出自粛を呼びかけても、熱中症などで命を落とす人が後を絶たない。この危険な暑さに対する市民の意識を高めようと、欧米などで熱波に名前を付けようという動きがあるそうだ
▼すでに命名されたなかでは、各地で40度超えを記録したイタリアの例が目を引く。
から選ばれ、最初の熱波はケルベロスだった。
三つの頭を持つ犬に似た怪物で血走った目が暑苦しい。次は
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といい、
冥界
にある大きな川の渡守である
▼どちらも名付け親は、地元の大手気象サイトの創設者だ。大の古典好きで、
「酷暑で地獄の炎を連想した」
のだとか。だが、実はイタリアでは空軍が気象に関する公的な責任者だ。
「効果もないのに民間企業が勝手に命名した」
と批判している
▼世界気象機関は昨秋、熱波の命名に関して考察を出した。気象学や公共政策、公衆衛生の専門家らが議論し、関心が高まることや、過去の惨事を思い出しやすいことなどを利点に挙げた
▼一方で、台風などと比べると熱波の強さは定義しにくく、年齢や持病の有無などで影響が異なるとも指摘された。まずは各国が出す警報・注意報の評価やデータ集めを優先するとして、名前を付けるのは見送られた
▼台風を番号で呼ぶ日本からみると、気象現象の名前と聞いてもピンと来ない。調べてみたら、
台風6号には
カーヌン、
7号には
ラン
という名前が付いていた。