大阪市は2日、市条例に定めるヘイトスピーチ(憎悪表現)に認定した街宣活動の概要をホームページで公表した。インターネット上に投稿された当時の動画が削除されず、拡散を防ぐため団体名の公表は控えた。市はこれまで計12件のヘイトスピーチを公表しているが、削除要請に応じられなかったケースは初めてという。
市によると、平成28年に大阪市内で複数人が街宣活動を実施し、慰安婦像の建立に触れ「朝鮮人」の女性を揶揄(やゆ)する卑猥(ひわい)な表現を用いたり、在日韓国・朝鮮人を差別したりする発言を繰り返した。この間、中傷的な文言を横断幕で掲示してこれらの様子を撮影し、動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿したという。
市は今年2月以降、サイトを運営するグーグル日本法人に動画の削除を要請したが、2日時点で残されている。横断幕を掲示した団体名は本来、公表対象となるが、団体名から動画が検索され、交流サイト(SNS)などで拡散されるのを防ぐため公表を控えた。