人生の折々に図書館の思い出はありますが、
との出合いは鮮烈です
▼〈図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することをもっとも重要な任務とする〉
とうたう「宣言」を知ったのは、
国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」
の
企画展「表現の不自由展・その後」
が開幕3日で中止された問題を取材していた時でした
▼日本軍「慰安婦」を象徴する《平和の少女像》等の展示に脅迫を含む抗議が殺到し、安全上の理由を挙げて中止されたことを受け、表現の自由とは何か、これは検閲ではないのか、と多様な議論が交わされました
▼その中で美術館の学芸員が「宣言」の精神を自分たちも胸に刻もうと提案したのが印象的でした。
〈知る自由は、表現の送り手に対して保障されるべき自由と表裏一体をなすものであり、知る自由の保障があってこそ表現の自由は成立する〉
▼都内のギャラリーエークワッドで開催中の展示「本のある風景―公共図書館のこれから」を見ました。戦後図書館の原点に
国立国会図書館法前文
〈真理がわれらを自由にするという確信に立って、憲法の誓約する日本の民主化と世界平和とに寄与する〉があり、現在では子どもから高齢者、障害者、外国人まで誰もがいつでも無料で滞在でき、つながる場としても機能していることがわかります
▼図書館が知の宝庫でありつつ意見表明と交換ができる地域の核であれば、それはすなわち民主主義の姿でしょう。