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徳島・高知、野党系が勝利 長崎4区は自民 2勝ならず、首相に痛手 衆参2補選 2023年10月23日 5時00分

 衆参ダブル補選で自民党は目標の2議席維持がかなわなかった。長崎で1勝は確保したものの、四国では大差で敗れた。政権に対する厳しい民意が顕在化した形で、岸田文雄首相の求心力がさらに低下する可能性がある。首相は総裁選再選をにらみ、衆院解散の好機を探るが、首相主導の政権運営は困難になりそうだ。▼1面参照

 

 

 

徳島・高知、野党系が勝利 長崎4区は自民 2勝ならず、首相に痛手 衆参2補選

 

衆院長崎4区と参院徳島・高知選挙区の補欠選挙が22日、投開票された。両補選とも与野党一騎打ちの構図となり、衆院長崎4区で自民党が競り勝った一方、参院徳島・高知は立憲民主党が支援する候補が制した。自民は選挙前の2議席のうち一つを守れず、「必勝」を掲げた岸田文雄首相にとって手痛い1敗となった。▼2面=目算外れ、6面=社説、29面=首相の不人気嘆く

 

 今回の衆参ダブル補選は、9月の内閣改造・党役員人事後に初めて行われた国政選挙衆院議員の任期の折り返し点にもあたり、岸田首相の衆院解散戦略や政権の勢いを測る指標になるとして注目されていた。

 首相は「党を挙げて必勝を期す」として、自身を含む党幹部が次々と応援に入る総力戦を展開。物価高に賃金上昇が追いつかない経済情勢への対応などが争点になった。首相は2議席を維持できず、長崎でも野党に接戦に持ち込まれたことで、「選挙の顔」としての力に疑問符がつくとの見方もある。首相が探る衆院解散の時期を含め、政権戦略の見直しを迫られる可能性がある。

 自民の茂木敏充幹事長は22日夜、党本部で記者団に「厳しい選挙戦だったのは間違いない。結果を謙虚に受け止めたい」と語った。立憲の大串博志選挙対策委員長は記者団に「徳島・高知で現在の政権運営にノーという厳しい声を突きつけることができた。意義のある戦いだった」と述べた。

 衆院長崎4区は、自民岸田派に所属した北村誠吾氏の死去に伴う。自民公認で新顔の金子容三氏(40)=公明推薦=は、岸田派に所属した元参院議員の長男で、同派が全面的に支援した。「世襲」批判を展開した立憲前職の末次精一氏(60)=社民推薦=と激しく競り合い、接戦を制した。

 一方、参院徳島・高知選挙区は、自民の現職議員が元秘書への暴力行為で議員辞職したことに伴う。野党は、立憲が支援する無所属の元職で立憲前衆院議員の広田一氏(55)に候補を一本化。特定の政党名を掲げない戦術で支持を集め、自民新顔の西内健氏(56)=公明推薦=を破った。立憲の泉健太代表は2年前の代表就任以来、補選で全敗してきたが、今回、事実上の初勝利となった。

 参院徳島・高知選挙区の投票率は32・16%(2022年参院選は46・53%)、衆院長崎4区は42・19%(21年衆院選は55・08%)だった。(千葉卓朗)

 

 ■衆院長崎4区

当 金子容三 (1)自新〈公〉 53,915

  末次精一    立前〈社〉 46,899

 (確定得票)

 ※〈 〉内政党は推薦・支持

    *

 金子容三(かねこようぞう)40歳

 〈元〉SMBC日興証券社員▽米ウィリアムアンドメアリー大院

 

 ■参院徳島・高知

当 広田一 (3)無元    233,250

  西内健    自新〈公〉 142,036

 (確定得票)

 ※〈 〉内政党は推薦・支持

    *

 広田一ひろたはじめ)55歳

 食品卸売会社長〈元〉立憲民主党国対委長代理・衆院議員・高知県議▽早大

 

 首相はいつでも衆院を解散できるよう準備を進めているが、低支持率でも選挙に勝てるのか――。いずれも自民が議席を有していた参院徳島・高知、衆院長崎4区の補欠選挙に注目が集まったのは、民意の現在地を探る指標となるからだ。

 自民は「2戦全勝」での議席維持をめざして首相のほか、茂木敏充幹事長、小渕優子選挙対策委員長ら党幹部が断続的に現地入りした。

 1勝はしたものの、四国での惨敗に「状況はかなり厳しい。相当ガタガタする」(派閥領袖〈りょうしゅう〉)。そもそも首相にとって補選での勝利は、衆院解散に向けた何よりの環境整備となるはずだった。

 両補選の告示後の13日、政府は自民との接点が問題視される世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する解散命令を請求した。有権者の好感を得られ、低迷する支持率にも補選にもプラスに働くとの見方もあったが、期待は外れた。その直後に行われた報道各社の世論調査では軒並み最低の支持率を記録。「請求で支持率を上げたい意図が国民に見透かされている」(党重鎮)との指摘が相次いだ。補選の情勢調査も芳しくなかった。

 20日には国民への還元策として、所得減税を検討するよう与党に指示したことも「露骨な選挙対策」(ベテラン議員)と不評を買った。その打ち出し方をめぐっても首相批判がやまない。前向きの姿勢を示したかと思えば、沈黙し、補選での苦戦が伝えられれば慌てて方針を示した。参院幹部は「ふらふらしている」とあきれた。

 参院補選での劣勢が早々に伝えられると、目標は「1勝1敗」に引き下げられ、長崎が焦点に。同補選は首相率いる岸田派宏池会)の北村誠吾元地方創生相の死去に伴うもので、自民が擁立した金子容三氏の父親は岸田派に所属した元参院議員の原二郎・元農林水産相だ。同派座長の林芳正・前外相は「宏池会の選挙」と明言。他派閥からは「それでは『宏池会で勝手にやってください』だ」(党三役経験者)と冷ややかな声が飛んだ。

 最終局面まで接戦が伝えられ、首相は選挙戦最終日の21日にも現地入りを模索していたが、見送りに。「行って負けたら恥をかく」(閣僚経験者)と、敗北に備えた判断とみなされている。

 来秋の総裁再選をめざす首相が描く理想のシナリオはその手前で衆院選の勝利を収めた後、総裁選を無風で乗り切るものだ。しかし、苦戦した補選直後では年内の解散はおろか、支持率が向上しなければ年明け以降の解散もおぼつかない。

 今年6月の通常国会。首相は防衛費増額を裏付ける財源確保法など重要法案を前に解散風をあおり、野党の反発を抑える一方、支持率が低下しつつあった自らに対する自民党内の不満の芽を摘んだ。この時、首相は周囲に政権運営の切り札としての解散カードについて「秋も、冬もまた使える」と自信を見せたという。だが、いま、解散風を吹かそうとすれば党内からの反発は確実だ。

 2021年4月の衆参三つの補選・再選挙では菅義偉首相(当時)率いる自民は全敗。「菅おろし」で、菅氏は同年秋の総裁選不出馬に追い込まれ、退陣した。今回は1勝したため、岸田派内では「2敗だったら菅政権の二の舞いだった。天と地ほど違う」(若手)と安堵(あんど)感が漂う。

 だが、支持率回復の見込みはない。閣僚経験者は突き放す。「1勝しても低空飛行のままは、きつい。衆院解散せずに総裁選となれば『岸田おろし』が始まりかねない」(白見はる菜、森岡航平)

 

 ■「選挙の顔」に懸念残す

 4月の衆参五つの補選で、自民党衆院和歌山1区で日本維新の会に敗れたものの、それ以外で議席を獲得した。だが、4勝は「薄氷の勝利」と評された。参院大分はわずか341票差。山口の二つの補選は票が伸びず、衆院千葉5区は野党の乱立に助けられた。

 5月には広島G7サミットの効果もあり、支持率は回復したが、その後は下落傾向に。今月は29%で政権発足後、最低を更新した。

 そうした状況の中でも、首相周辺には「最近は選挙結果と支持率は直結しない」との見方があったが、参院徳島・高知補選では惨敗。「選挙の顔」としての首相への懸念は党内でくすぶり続けそうだ。(岡村夏樹)

 

 ■党名出さずいびつな「共闘」 泉立憲1勝

 2年前に立憲民主党の代表に就任して以来、昨夏の参院選や今年4月の補選など敗北続きの泉健太氏にとって、徳島・高知での1勝は、ようやくつかんだ国政選挙での初白星だ。だが「1勝1敗」の戦績は、立憲にとって手放しで喜べる結果とはいえない。

 問題は「1勝」の中身だ。立憲が支援した前立憲衆院議員の候補は今回、「完全無所属」で出馬した。保守票の取り込みを狙い、陣営は選挙中、「立憲」の看板を封印。街頭演説で党名には触れない異様な選挙戦が続いた。

 「党名を出せないから悲しいという話は党内から聞いたことがない」。選挙戦終盤の19日、応援に訪れた徳島県鳴門市で、泉氏はそう強がった。だが、公認候補を擁立し、党名を前面に出して戦った長崎を落としたことで、「立憲が勝った選挙とは言えない」(中堅議員)との見方が党内に広がる。結果が出た22日夜、泉氏は報道陣の前に姿を見せなかった。

 ライバルの日本維新の会は今回、両選挙区とも擁立を見送り、共産党社民党は立憲系候補の支援に回った。国民民主党からも、連合などの要請を受けた前原誠司代表代行が応援に駆けつけた。今回のダブル選は図らずも与野党一騎打ちの構図となり、形の上では「共闘」が成立していた。

 長崎も含めて2勝すれば、次期衆院選に向け、停滞する野党間の候補一本化の協議に弾みがつく――。そんな期待が、立憲内では高まっていた。

 だが結果は「1勝1敗」。無所属候補の勝利だけでは、党勢は上向かない。むしろ立憲幹部は「立憲を中心とした協力態勢を、なかなか他党に持ちかけにくくなった」。仮に候補者の一本化や「共闘」ができても、立憲の看板では勝ちきれないことが今回の補選で如実に示されてしまったためだ。

 そもそも候補者の一本化自体が容易ではない。衆院選では、小選挙区での擁立は比例票の掘り起こしにつながることから、各党とも安易に候補者を降ろせない事情がある。すでに160超の選挙区で公認内定を決めた立憲に対し、維新も145で擁立を決定。共産ですら「全部一本化するということは考えていない」との姿勢だ。

 ようやく殊勲を挙げたにもかかわらず雲が晴れない現状に、泉氏と距離を置く衆院中堅は「2勝して首相に辞められ、泉氏に調子に乗られるのも嫌だ。1勝1敗がちょうどいいよ」と語った。(小林圭、多湖清子)

 

 ■投票者の半数、物価対策重視 出口調査

 野党系無所属の広田一氏が勝利した参院徳島・高知選挙区は、投票者の52%が投票する際に候補者の政策の中で一番重視した項目に「物価高・経済対策」を挙げ、そのうち67%が同氏に投票していたことが22日、朝日新聞が実施した出口調査でわかった。岸田文雄首相は20日に、所得税の減税など物価高対策を与党に指示したが、自民の西内健氏の勝利に結びつかなかった。

 広田氏は立憲民主支持層の97%、無党派層の81%の支持を得て、自民支持層の31%にも食い込んだ。西内氏は自民支持層の69%しか固められなかった。

 衆院長崎4区補選は、自民の金子容三氏が立憲の末次精一氏を破った。金子氏には、全体の半数近くを占める自民支持層の82%、2割強を占める無党派層の36%が投票した。末次氏は、全体の1割強を占める立憲支持層の98%、無党派層の64%を獲得した。

 投票者の中で岸田内閣を「支持する」は48%、「支持しない」は46%と割れた。支持する人の74%が金子氏に、支持しない人の70%が末次氏に、それぞれ投票した。

 一番重視した政策では「物価高・経済対策」が50%と最多となり、投票先は末次氏が53%と、47%だった金子氏を上回った。一方で「教育・子育て」や「医療・社会保障」、「地域の人口減対策」などを重視した人の投票先は、末次氏より金子氏が多かった。

 調査地点数と有効回答数は次の通り。

 衆院長崎4区30地点、1067▽参院徳島・高知選挙区90地点、3671。(石本登志男