ガザの即時停戦訴え
国連の専門家グループは16日、イスラエルが占領下のパレスチナ人を壊滅させる明確な意図をもったジェノサイド(集団殺害)的な扇動を行っている多くの証拠があるとし、ただちに停戦を求める声明を発表しました。
声明は国連など17組織の33人が共同で出したもの。多くは国連のさまざまな人権問題などを担当する特別報告者です。
声明では10月7日以来、パレスチナのガザ地区へのイスラエルの空爆、包囲で1万1000人以上が殺され、2万7000人が負傷、160万人が家を追われたと非難。亡くなった人のうち、41%が子ども、25%が女性で、10分ごとに子ども1人が殺され2人が負傷しているとし、ガザは「子どもたちの墓場」になっていると告発。約200人の医療従事者、102人の国連スタッフ、41人のジャーナリストが殺されたとしました。
違法な封鎖で、ガザの人たちが何週間も、食料、医薬品、燃料がなく取り残されているとし、「意図的に飢餓を引き起こすことは戦争犯罪だ」と断罪。イスラエルの指導部がジェノサイドと非人道性を思わせる修辞を使い、「完全な破壊」「ガザを消し去る」などと表現していると指摘。国際社会はジェノサイドを含む残虐な犯罪を阻止する義務を負っていると訴えました。
一方で、このイスラエルの戦争戦略をいくつかの国の政府が支援していると指摘。国際社会がイスラエルに断固として即時停戦するよう圧力をかけようとしないことに懸念を表明しました。