明日のテストで0点になるのは、どうしても避けたい。のび太は、タイムマシンで1週間後の出木杉くんの部屋に忍び込む作戦をたてる。返却された100点の解答を写せばいい。藤子・F・不二雄さんの『ドラえもん』である
▼ところが部屋へ行くと、もう一人の自分が現れ、こう説く。「他人の答案をみて百点とろうなんて。セコいこと考えるなよ」。のび太は言い返す。「出木杉の答案をみるしかぼくの生きる道はないんだ」。心の中の天使と悪魔。葛藤が彼にもあっただろうか
▼男子受験生が早稲田大の入試で不正に使ったのは、ひみつ道具さながらの「スマートグラス」だった。カメラや通信機能付きのメガネで問題を外部に流して、他人が解いた答えを書き込んだ。入試を妨害した疑いで書類送検された
▼「国立大に落ち、ほかの大学も落ちることが不安で思いついた」というから、浪人生活を重ねた末かと思えば、当時は高校生だったという。何が愚行に駆り立てたのだろう。もう道がないと思ってしまったのか
▼『ドラえもん』のその後を伝えたい。結局、のび太はやれるところまでやるしかない、と思い直す。ドラえもんが取り出した道具は「時門(じもん)」。水門のように時の流れをゆっくりにする。徹夜で勉強してテストは65点。「自分だけの力でここまでやれた」と、のび太は泣いた
時門
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 04:02 UTC 版)
「ドラえもんのひみつ道具 (しは-しん)」の記事における「時門」の解説
時門(じもん)は、「時門で長〜〜い一日」(てんとう虫コミックス31巻に収録)、「のび太の0点脱出作戦」(てんとう虫コミックス第37巻に収録)、大長編「ドラえもん のび太と緑の巨人伝」に登場する。 水門のような形をした道具で、この門を閉めておくと水門が水流をせき止めるように時間の流れがせき止められてゆっくりと流れるようになる。たとえば門を3分の2ほど閉めておけば、人間が5、6時間ほど動き回っても時計の針は30分しか動いていないといった状態になる。効果は全世界に及ぶようである。生物の動作速度は変わらない。 テレビアニメ第2作第1期では、水門を開くと溜めた水が強い勢いで流れるように、余り長く時間をせき止めると開放直後の時間が速く流れる。 「ドラえもん のび太と緑の巨人伝」では漫画版のみに登場し、完全に閉め切ると全世界の時間が完全停止してしまい、さらに使用者以外の生物や物体が静止してしまう。映画では代わりにタンマウォッチで時間を止めているため登場しない。 ドラえもんはこの道具を一度は借りていた会社に返しているのだが、後にまた使用している。
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▼青年よ。てんとう虫コミックスの第37巻をどこかで手にとってほしい。ひみつ道具はないけれど、やり直す時間は、まだたっぷりある。