徒然なる儘に ・・・ ⑤

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<産経抄>平和は尊い犠牲の上に、沖縄慰霊の日    2024/6/23 05:00

特攻兵器「桜花」の搭乗員が別れの盃を交わした地点に建つ「桜花の碑」=鹿児島県鹿屋市

79年前のこの時節、多くの特攻隊員が若い命を散らせた。<たらちねの母の教えを守りつつ敵艦と共に我は散りゆく>。この辞世を残した高野次郎海軍中尉は22歳だった。『太平洋戦争将兵万葉集』(東京堂出版に略歴がある。

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▼第八神雷桜花隊員。昭和20年5月11日、沖縄に特攻戦死―。「神雷」は特攻を専門とした部隊の一つで、「桜花」は機首に大型の爆弾を搭載し、操縦席と木製の翼を取り付けた構造だった。米軍艦船の近くまで母機で運ばれ、標的へと滑降した。

▼生還を想定したものではない。それゆえに、「人間爆弾」とも呼ばれたそうである。沖縄の海では駆逐艦1隻を沈めたものの、多くが体当たりの前に撃墜されている。関東、東北、四国、九州…。『将兵万葉集』によれば、各地の若者が沖縄へ向けて出撃していることが分かる。

▼冒頭の高野中尉は富山出身だ。「祖国」を守る。その一念を貫いた戦いだったろう。沖縄はきょう、「慰霊の日」を迎えた。3カ月に及んだ沖縄戦では、日本の将兵と県民、米側を合わせて、約20万人が亡くなった。哀悼の誠をささげる日である。

▼「戦後80年」を前に、日本を取り巻く国際情勢は緊迫している。露朝はつい先日、軍事面などで手を結び、中国は台湾や尖閣諸島への野心を隠そうともしない。沖縄はこの先も、国防の最前線であり続ける。再び戦場にしないためにも、南西諸島を含む抑止力の強化を急ぎたい。

▼海軍報道班員として神雷部隊に同行した作家の山岡荘八は、高野中尉の出撃を見送ったという。その様子を伝える遺族への手紙に次の句を添えた。<散る花の眉の清しき五月晴れ>。自身を盾に、国を守った人々がいる。その尊い犠牲の上に、いまの平和がある。