徒然なる儘に ・・・ ⑤

心機一転、新たにブログ再開です💕 雑談を書くことも多いですけれど・・・(主に、電子ゲーム・ネタ💕)、残りは【新聞記事】にコメントを入れています💕

春秋(1月1日) 2024年1月1日 0:00

澄みきった青に、くっきりコントラストを描く白。「大空に羽子の白妙とどまれり」(高浜虚子)。清明な新年の情景である。羽根つきなど近ごろは見なくなったとはいえ、年が改まった空にはやはり子供の歓声が似つかわしい。今年のお年玉は期待できそうだろうか。

▼届く賀状から、先方に小さな家族が加わったと知る。つい頰が緩む。井上靖は正月の随筆で、人が子を生み系譜が続くさまを「壮観というほかない」といっている(「元日のこと」)。民族学の泰斗、大林太良東大名誉教授は「新年は生命が更新される機会」と説いた。連綿とリレーされる命に、思いが及ぶ節目なのだろう。

▼地球を見わたせば、そんな命の継承が危機にひんする光景がなおも広がっている。ウクライナでは開戦以来で最大規模というロシアの攻撃があり、大勢の死傷者が出た。ガザ地区でもイスラエル空爆で傷つき、泣き叫ぶパレスチナの子供の姿が報じられる。去年今年(こぞことし)を貫くものが戦争だとは。あまりにもいたたまれない。

▼世界も日本も、その針路を大きく左右する選択がいくつも待ち受けるであろう2024年である。青空を飛びかうのがミサイルでいいはずはないし、内外の社会の分断も食い止めねばならぬ。虚子をもう一句引く。「口あけて腹の底まで初笑」。そんな世の中をつくり、子供たちに手わたす重い責任が私たち大人にはある。