徒然なる儘に ・・・ ⑤

心機一転、新たにブログ再開です💕 雑談を書くことも多いですけれど・・・(主に、電子ゲーム・ネタ💕)、残りは【新聞記事】にコメントを入れています💕

元日の地震 2024/1/3 05:00

石川・能登地方で発生した地震を知らせる各局のテレビ画面=1日午後、大阪市

関東大震災を経験した物理学者の寺田寅彦は、自然災害に関して数々の随筆を遺(のこ)している。「神話と地球物理学」(昭和8年)では、世界各国の神話に関して「それらの説話の中にその国々の気候風土の特徴が濃厚に印銘されており浸潤している」と指摘した。

▼たとえば北欧の神話では氷や雪の現象、わが国では島が生まれるという記述などを挙げて「地球物理学的に解釈すると、海底火山の噴出、あるいは地震による海底の隆起によって海中に島が現れ…」といった現象を連想させると記述している。

▼神話がそうした現象を人格化したというより、「神々の間に起こったいろいろな事件や葛藤の描写に最もふさわしいものとしてこれらの自然現象の種々相が採用された」という解説だ。元日に能登を襲った最大震度7地震で、各地で自然災害と闘い続けてきた国に暮らしていることを改めて思い知った。

▼発生直後からテレビ各局は正月の特番の放送予定を変更して震災の状況を伝え、津波からの避難を呼びかけた。石川県輪島市の観光名所、朝市通り周辺では大規模な火災が発生した。断続的に地震が続く中、倒壊した家屋などから救助活動が続いている。

▼皇居で2日に予定されていた新年一般参賀は中止された。天皇、皇后両陛下は被害状況に心を痛め、寒さが厳しい中で、救助活動などが一刻も早く進むことを願われているという。

▼正月を故郷で過ごす帰省の人々、慣れない地で避難した観光客らも多いだろう。寺田は「天災と国防」(昭和9年)で「数千年来の災禍の試練によって日本国民特有のいろいろな国民性のすぐれた諸相が作り上げられたことも事実」と書いている。協力して救助と支援の手を尽くしたい。