徒然なる儘に ・・・ ⑤

心機一転、新たにブログ再開です💕 雑談を書くことも多いですけれど・・・(主に、電子ゲーム・ネタ💕)、残りは【新聞記事】にコメントを入れています💕

(天声人語)ウソつきのパラドックス 2024年3月3日 5時00分

クレタ人は常に嘘(うそ)をつく」とクレタ人が言った、という有名なパラドックスがある。発言を本当だと仮定すれば、この人物も必ず嘘をつく。したがって「クレタ人は常に嘘をつく」という発言も本当ではなくなって、はじめの仮定と矛盾する。中学生のころに聞いて、目を白黒させた覚えがある

 

 

▼さてクレタ人ではなく、センセイたちの発言は本当だと仮定しようか。政治倫理審査会に出た安倍派の幹部は、パーティー収入の還付金が政治資金収支報告書に記されていないとは知らなかったと口をそろえた。きちんと処理されていると信じていたという

 

 

▼とすると2022年、安倍晋三会長の言葉は、うわの空で聞き流したのだろう。このとき安倍氏は「不透明で疑念が生じかねない」と、還流をやめる方針を決めたそうだ。のどから手が出るほど欲しい政治資金が削られる。「不透明とは?」とたださぬはずがない

 

 

▼その後、還流継続に方針は一転した。それでも不記載を知らなかったとすると、派閥の会計を担った事務職員もずいぶんだ。違法行為であるとただ一人知りながら、幹部には黙っていたことになる

 

 

▼いやいや、全体に無理がある。きっと最初の仮定が違うのだろう。センセイたちの発言をたどると矛盾につきあたる。政治不信が払拭(ふっしょく)されるどころか深まった感さえある

 

 

クレタ人は嘘つきか。冒頭のパラドックスが面白いのは、論理のあそびの世界だからだ。でも、こちらは現実の世界。目を白黒させてはいられない。