徒然なる儘に ・・・ ⑤

心機一転、新たにブログ再開です💕 雑談を書くことも多いですけれど・・・(主に、電子ゲーム・ネタ💕)、残りは【新聞記事】にコメントを入れています💕

(天声人語)川勝知事の辞任 2024年4月4日 5時00分

明治生まれの軍人といえば、己の背中に語らせる寡黙なイメージが強い。だが連合艦隊司令長官だった山本五十六(いそろく)は、こんな言葉を残している

 

 

▼「やって見せ、言って聞かせて、させて見せ、誉(ほ)めてやらねば、人は動かじ」。新たな人を迎える春、心にとめたい訓示だろう。きょう生誕140年である

 

 

▼さて、こちらの訓示は、心ないとしか言いようがない。静岡県川勝平太知事である。知事によれば、全文を読めば誤解は解けるそうだ。

 

「上にへつらわず、下に威張らず」

「人の艱難(かんなん)はこれを見捨てない」。

 

その見識には確かにうなずく

 

 

▼だが、農業や畜産業に携わる人の知性が低いかのような発言は、やはり看過できない。きのうの会見で知事はわびた。一方で、発言を撤回するつもりはないのだという。「誠に申し訳ない」。重みを失った言葉が、どこ吹く風に乗ってふわふわと漂う

 

 

▼不可解なのは、辞職する最大の理由にリニア新幹線を挙げたことだ。静岡は、県内の着工を認めてこなかった。JR東海が先日、開業の延期を決めたことで「区切りを迎えた」のだという。なぜ、それが知事の座を放り出すことになるのか。辞職の理由は、結局ぼんやりしたままだ

 

 

山本五十六

 

「中才(ちゅうさい)ハ肩書ニよって現ハれ、大才(たいさい)ハ肩書を邪魔ニし、小才(しょうさい)ハ肩書を汚(けが)す」

 

と書き残した。川勝知事はもともと経済学者だった。手腕を買われて地方自治の世界に飛び込んで15年。唐突ともいえる形で自ら幕を引く。大中小、どれにあたるのだろう。