徒然なる儘に ・・・ ⑤

心機一転、新たにブログ再開です💕 雑談を書くことも多いですけれど・・・(主に、電子ゲーム・ネタ💕)、残りは【新聞記事】にコメントを入れています💕

<コラム 筆洗> 2023年9月4日 07時06分

朝飯から「粥(かゆ)四椀、はぜの佃煮、梅干(砂糖つけ)」。昼飯には「粥四椀、鰹(かつお)のさしみ一人前、南瓜一皿…」

 

▼読んでいるだけでおなかがふくれてくる。俳人正岡子規の『仰臥漫録(ぎょうがまんろく)』。病床にあった子規の日記で食事の内容や日々の生活が記されている。公開する気がなかった分、より生々しい子規が感じられる

 

▼冒頭は34歳で死去する1年前、1901(明治34)年9月2日の分で、続くこの日の夕飯は「奈良茶飯四碗、なまり節、茄子(なす)一皿」。加えて午後2時過ぎにココア入り牛乳一合、「煎餅菓子パンなど個」、さらには梨。病人とは思えぬ食欲である。これをほぼ毎日である

 

▼病人がこれだけ食べればただではすまぬ。「腹のはりたるためにや苦しくてたまらず」「この頃食い過ぎて食後いつも吐きかえす」-。結核からの回復を願い、滋養をつけるための大食なのだろうが、後で苦しむと分かっていながら、食べることをやめない子規が悲しい

 

▼<吾(われ)健にして十のみかんをくひつくす>。最近、見つかった子規の句である。1897年の作というから既に病床にあったとはいえ、『仰臥漫録』のころより病状はまだましだったのだろう

 

▼うれしそうな句である。「のみかん」が食べられる。子規にとってはそれが「健」の証しであり、最晩年の無理な大食に挑んだ心根とも結びつくかもしれぬ。19日が「糸瓜(へちま)忌」である。

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