「あの子たちはいま、どうしているのだろう」―。パレスチナ難民キャンプの子どもに
毎月5000円を送る里親活動を37年続けてきた東京・板橋区の岡本達思さん(73)
は不安の日々です
▼社会に旅立つ16歳まで、見守り続けた里子は8人です。最初の子は、7歳の少女サハルでした。「サハルは成人しても“結婚したよ”“子どもが生まれたよ”と手紙や写真をくれました。“ボーイフレンドができた”との手紙には、父親のようにちょっぴり焼きもちを焼きました」。心通う交流でした
▼3歳で授かった9人目の里子は、9歳になった今年、脱出国したと現地のNPOから連絡が…。本人とも家族とも連絡が取れなくなり、
「育て上げることができなかった」
と悔やみます
▼
「家族でヨーロッパに渡ったのでしょう。難民キャンプの生活は劣悪です。お年寄り以外は外に出たがる」
と岡本さん。
「ヨーロッパで無事に暮らしているといいのですが…。差別や貧困が待っています。パレスチナの人々に安住の地はないんですね」
▼イスラエルの攻撃が続いていた今月19日、現地の国連児童基金パレスチナ事務所からメールが届きました。ガザの医療システムは完全崩壊し、避難民キャンプは劣悪な状況だと書かれており、10歳のモハマドくんのこんな声も。
「家に壁が欲しい。ドアや窓がなくても構わない」
「僕たちが死んでいくのに誰も何もしてくれない」…
▼ガザの子ども約6000人が殺されました。一刻も早く停戦を。岡本さんの心痛は続きます。