やまない戦火は新年にも暗い影を落としています。ガザからウクライナから、心痛む報道や映像が日々伝わります。世界から戦争はなくならない。そんな悲観的な論調も強まっています
▼イスラエルのネタニヤフ首相やロシアのプーチン大統領は、相手の存在を認めないというかたくなな態度を崩していません。そこには多様性の時代に必要な「エンパシー」=他者を理解しようとする能力など皆無です
▼「対話は多様性の産物。多様性の中で、対話は日常生活、生き方そのもの」。
東アジアを平和な地域にするため東南アジア諸国連合(ASEAN)の国々の努力をつかんできた日本共産党の代表団。インドネシアの元外相は志位団長との会談でそう述べたといいます
▼多様性があるからこそ対話せずにはいられなかった。対話により誤解や誤算を回避できる。対話を促進し深めるためには政府と政党、市民社会の協力が重要―。交流の中身を志位団長が報告しています
▼「私人の関係を規制すべき道徳と正義の単純な法則を諸国民の交際の至高の準則として確立する」。かつてマルクスは国際労働者協会(インタナショナル)の創立宣言の中で呼びかけました。隣人とのつきあいで守るべきルールを持った国際社会をつくろうと
▼未来社会の先達が示した新しい世界像。時代や背景は違えど、それは発展しながら今に息づいています。家族の一員として受け入れ、助け合い、支える関係だというASEAN。そんな平和の共同体を世界中に広めたい。