徒然なる儘に ・・・ ⑤

心機一転、新たにブログ再開です💕 雑談を書くことも多いですけれど・・・(主に、電子ゲーム・ネタ💕)、残りは【新聞記事】にコメントを入れています💕

(天声人語)アラレちゃんの「つんつん」 2024年3月9日 5時00分

 40年以上も前のこと。丸いメガネをかけた同級生はアラレちゃん、食いしん坊の子はガッちゃんと呼ばれていた。友達とは「んちゃ」「ばいちゃ」とあいさつし、叱られると「おこらりちゃった」とおどけたものだ。鳥山明さんの漫画『Dr.スランプ』は、男女を問わず人気だった。きれいな絵、舌足らずのアラレ語、根性や努力とは無縁の緩い展開▼この作品の魅力はいくつも挙げられる。だが、なんといっても画期的だったのは「うんち」だと思う。排泄(はいせつ)しないロボットのアラレちゃんはいつも興味深そうに、とぐろを巻いたのを「つんつん」していた▼エピソードのひとつでは、紫色で手足のあるうんちまで登場した。散歩の途中でピンクや緑の仲間と合流するが、行き先がなくて悲しむ。そこへ「キーン」と現れたアラレちゃんが、つんつんした後でトイレへ連れていく▼少年ジャンプで連載されたのは、1980年から84年。子どもは大好きでも、うんちはまだどこかタブーな存在だった。それをかわいく、面白く描けたのはセンスも技術も突出していたからだろう。累計発行部数3千万部を超えるメガヒットだった▼名古屋弁を愛し、売れっ子になってからも愛知県清須市に住み続けた鳥山さんが亡くなった。68歳と聞いて、アラレちゃんを生んだときはまだ20代前半だったのかと驚いた。残念でならない▼鳥山作品はもちろん、『ドラゴンボール』も面白い。でもやっぱり、ペンギン村のアラレちゃんたちが一番好きだった。