97歳にして今も積極的な発言を続けるマレーシアのマハティール元首相が22日、朝日新聞のインタビューに応じた。長年にわたって戦争反対を訴えてきた東南アジア政界の重鎮は、ロシアのウクライナ侵攻について「第3次世界大戦につながりうる」と警告。5月にG7(主要7カ国)の首脳会議が広島で開かれることに関連し「全核保有国の首脳を広島に招き、核の不使用と廃棄を決断すべきだ」などと訴えた。
1981~2003年と18~20年に首相を務めたマハティール氏は、マレーシアの経済成長を導いた一方で、戦争反対を訴えてきた政治家だ。「戦争とは人を殺すこと。人をひとり殺せば犯罪人なのに、たくさん殺すと英雄になるのはおかしい」。そんな持論がある。
インタビューでは、ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、「戦争はエスカレートしているように見える。もしロシアが核を使えば、第3次大戦になるだろう」などと述べた。
世界大戦について「これまでは、起きないだろうと考えていた」という。だがウクライナ侵攻でロシアが核兵器の使用をちらつかせたことで、世界大戦もありうるとの考えに変わったという。
マハティール氏は1980年代、日本などの成長から学ぶべきだとする「ルック・イースト」政策を打ち出したことで知られる。(クアラルンプール=西村宏治、翁長忠雄)