徒然なる儘に ・・・ ⑤

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(社説)マイナンバー活用 かけ声だけでは進まぬ 2024年6月2日 5時00分

 自治体の多くの事務でマイナンバーの利用が進んでいないことが、会計検査院の調査で判明した。政府は「行政の効率化と国民の利便向上」を掲げるが、内実に疑問符がつく。政府と自治体は連携し、改善に取り組むべきだ。

 検査院がマイナンバーで情報照会ができる1258種の手続きを調べたところ、22年度は9割に及ぶ1134種で使った自治体が1割未満だった。このうち485種は利用実績がゼロだった。

 情報照会は17年に始まり、システムの整備・運用に2千億円余りを投じてきた。自治体の利用は22年度に約3千万件まで増えたが、地方税や年金など特定分野に集中する。

 政府はこれまで、マイナンバーの利点をアピールし、マイナカードの普及も強引に進めてきた。だが、行政の現場でシステムが十分使われず、住民が従来通り書類の添付を求められる例もあるなど、実情との落差は大きい。

 特に効果が期待された行政内の情報連携が低迷するようでは、意義を訴えても説得力を欠く。足元を直視し、問題点を精査すべきだ。

 検査院によれば、自治体側では、事務手順の見直しやマニュアル作成の遅れ、業務システムの未対応といった理由で利用が進まないケースが目立つという。活用方法の検討や仕組みへの理解が足りない例も指摘している。

 業務のデジタル化は、軌道にのれば効率が高まるが、移行に際しては一時的とはいえ手間や費用がかさむ。適切な資源投入が必要だ。

 この点で、政府の責任はさらに重い。対象になる手続きを増やしてきたが、現場のニーズを整理できているのか。自治体に活用を促す際は、件数が多く効果が見込めるものを優先し、支障の解消や使い勝手の改善にも努めなければならない。うまく対応した自治体の例やノウハウをまとめ、周知してはどうか。

 検査院も各省庁の姿勢の不十分さを指摘している。デジタル庁は利用の実態をきちんと調べず、各制度の所管省庁も把握に動かなかった。仕組みを作るだけでなく、その後も点検と改善を続ける体制の整備が不可欠だ。

 政府は、25年度を目標に全国の自治体業務システムの仕様を共通化する準備を進めている。これについても、自治体からは体制面などでの不安の声が出ているのが現状だ。

 マイナンバーをめぐっては昨年、誤登録などが問題になった。デジタル庁はかけ声ばかりでなく、現場の状況に目を配り、必要な対策に力を注がなければならない。