徒然なる儘に ・・・ ⑤

心機一転、新たにブログ再開です💕 雑談を書くことも多いですけれど・・・(主に、電子ゲーム・ネタ💕)、残りは【新聞記事】にコメントを入れています💕

(天声人語)フェミサイドという視点 2024年6月30日 5時00分

元交際相手の女性を路上で刺殺。ストーカー行為の末に女性を殺害。元妻の居場所を突き止めて刺した――。新聞の報道を追うだけでも、女性を標的とした殺人や殺人未遂の事件は後を絶たない。世界的に女性の犠牲者は増える傾向だと知り、さらに心が沈んだ

 

 

 

▼海外メディアが報じる際に、よく使うのが「フェミサイド」という言葉だ。直訳すれば「女性殺し」だが、女性の殺害のすべてを指すものではない。

Femicide(フェミサイド)

女性であることを理由にした殺害のこと。女性嫌悪殺人とも訳される。WHO(世界保健機構)が2012年に発表したレポート「Understanding and addressing violence against women」で、フェミサイドを定義し理解や対策を求めた。2016年には韓国で女性を狙った「江南事件」に対して、女性嫌悪による殺人だとフェミサイドに抗議するムーブメントが起きた。日本では2021年8月に小田急線車内で、大学生らへの刺傷事件が起きた。加害者の男性が「幸せそうな女性を見ると殺したくなった」と動機を述べたことから、この事件についてネット上でフェミサイドという言葉が使われるようになった。この事件に対しては日本でも、デモや署名活動など抗議活動が起きた。まずは女性であることが殺害の動機になった事件をフェミサイドという言葉で表し、犯罪が加害者個人の特性だけでなく、ジェンダーに起因するものだとわかりやすく伝えることや、過去の事件をフェミサイドとして見直すなどの実態把握が求められる。(2021.11・12)

「女性への最も極端で残忍な暴力」

 

とする国連は2年前、正確なデータを得るために共通の定義を報告書で示した

 

 

 

 

 

▼まず、殺害が意図的である。男性が偉い、女性だから殺すといったジェンダーに根付く動機があることなどだ。こうして昨秋に発表された「世界で意図的に殺された女性と少女」は、過去20年で最多の約8万9千人にのぼった

 

 

▼フェミサイドでは、加害者の大半がパートナーなど親密な関係者なのが特徴だ。DVの果ての惨事も多い。コロナ禍の外出禁止で、DVは世界中で増えた。外へ逃げて救済の手に届いていればと思うと、やりきれない

 

▼この犯罪と切り離せないのは、女性差別につながる考え方だ。無意識を含む偏見があり、性別による役割分担を強いてしまう。男性の支配欲求と結びついた究極に、フェミサイドがある

 

▼今年も日本は、男女格差を示す指数で118位とG7最低だった。偏見の芽が、社会のあちこちにはびこっていないだろうか。それが痛ましい事件の土壌になっていないだろうか。