徒然なる儘に ・・・ ⑤

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外交官、銭湯で男子生徒を盗撮 認めたが立ち去り 背景に不逮捕特権 御船紗子 板倉大地 比嘉展玖2024年5月2日 5時00分

 在日シンガポール大使館の男性参事官(55)が2月、東京都内の銭湯で18歳未満の男子生徒を盗撮した疑いで、警視庁に任意で事情聴取されていたことが捜査関係者への取材でわかった。参事官は外交官を名乗り、現場で盗撮を認めたが、警察署への同行は拒み、その場を立ち去った。事件は立件に至っていない。

 外交官には逮捕などの身柄拘束や裁判が原則免除される特権がある。参事官はシンガポール国籍で、事件当日の後は事情聴取は実施されていないが、すでに役職を離れたという。参事官は同大使館で幹部に当たる役職。

「間違いない」 写真700枚を自ら削除

 複数の捜査関係者によると、参事官は2月27日夜、東京都港区にある銭湯の男性脱衣所で、スマートフォンを使って未成年の男子生徒の裸を撮影した疑いがある。

 銭湯側が110番通報し、駆けつけた警察官が参事官のスマホを調べたところ、脱衣所内で撮影したと思われる男性客の裸の写真が複数見つかった。「自分が撮ったことは間違いない」と認めたという。

 警察官が署への任意同行を求めたが、参事官は「ここでの質問には答える」と話したものの、署へ行くことは拒否。男子生徒の保護者が、盗撮した写真を消去するよう要望したところ、その場で自ら消去した。他の銭湯でも盗撮行為をしていたと警察官らに明かし、消去した写真は、当日までの半年ほどで撮影したという約700枚に及んだという。

参事官「後悔している」 外交官に特権の理由は

 銭湯の防犯カメラには、参事官がスマホのカメラを他の男性客へ向ける様子も映っていた。参事官は「なぜこんなことをしたのかわからない」「後悔している」などと話したという。

 警視庁は大使館側への出頭要請に向け、外務省や警察庁との協議を進めている。性的姿態等撮影容疑での書類送検も検討している模様だ。朝日新聞は大使館に取材を申し込んだが、担当者は「期限までの回答は不可能」とした。御船紗子

強制わいせつ、スパイ…… 様々な容疑

 外交官は、地位や身分を定めたウィーン条約で多くの特権が認められている。特に、刑事事件で刑事訴追の免除や身体の拘束が免除される「不逮捕特権」があり、事件や事故を起こしても通常は滞在国での罪に問われない。

 今回のケースでは、参事官は当初から外交官を名乗り、盗撮行為を認めたうえで、任意同行を拒否した。

 大使館職員らの違法行為をめぐっては、日本側も様々な対応を取ってきた。

 2006年には、インド大使館職員の男がビザの申請に訪れた日本人女性に無理やりわいせつな行為をした疑いがあるとして、警視庁が捜査。警視庁は強制わいせつ容疑で逮捕状をとったが、男は既に帰国していた。

 14年には、ガーナの駐日大使が借りていた東京・渋谷のビルの一室で「闇カジノ」を開き利益を得ていたなどとして、警察が日本人従業員らを逮捕した。外交特権があるとして、この闇カジノは「捕まらない」とうわさされていたという。

 ソフトバンクの機密情報が漏洩(ろうえい)した事件では、警視庁が20年にロシアの元外交官を不正競争防止法違反教唆容疑で書類送検し、不起訴処分となった。警視庁は外務省を通じて2回出頭要請をしたが、元外交官は応じないまま出国。元外交官はスパイ活動に従事していたとみられていた。

 また、外交官の車両(青ナンバー)が駐車違反の違反金を支払わないケースが相次いでいるとして、外務省が21年5月から防止策を講じている。

 警察幹部の一人は現場の対応の難しさについて「外交官は名乗り出た時点で、任意同行しても最終的に逮捕できない。警察官はそれが分かっているため、同行を求めることは控える」と話す。

ペルソナ・ノン・グラータ」とは

 捜査機関は外務省を通じ、任意の出頭要請を出すことができるが、外交官は応じる必要がない。外交関係法について、北海道大学の児矢野マリ教授(国際法)は、外交官に特権や免除がある背景を「受け入れ国の判断で逮捕される可能性があれば、外交官は職務を能率的に遂行できなくなる。職務の遂行のために特権免除は必要と考えられており、それを認め合う方が、関係両国にとって利益になるという考えが前提にある」と説明する。

 捜査機関の出頭要請に応じない場合、受け入れ国はその外交官を「ペルソナ・ノン・グラータ」(好ましからざる人物、PNG)に指定し、本国に通告することができる。PNGを受けた派遣国は一定期間内に外交官を帰還させなければならない。

 ただ、PNGを通告することで、相手国から自国の外交官が「報復」的にPNGに指定される懸念もあるといい、「両国間の関係が悪化するおそれがあるので、通告は慎重になるだろう」(児矢野教授)。日本がPNGを通告したのは過去4例にとどまる。(板倉大地、比嘉展玖)