徒然なる儘に ・・・ ⑤

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2024年8月26日(月) 「サマーセミナー」に全国から参加

2024年8月26日(月)

「サマーセミナー」に全国から参加

高校生と志位さん 楽しい2時間半

「人間の自由」「自由な時間」 “こういう「対話」もっとしたい”

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(写真)サマーセミナーで参加者と語り合う志位和夫議長。その左は坂井希青年・学生委員会責任者=24日、党本部

 「どうしても共産主義について勉強したくて」「資本主義についてちょっと気になったので」「もし日本が共産主義になったらどんなふうになるのか知りたい」「志位さんから直接話を聞けるのを楽しみにしてきました」

 こんな自己紹介から始まった「高校生サマーセミナー 志位さんと語ろう 資本主義、共産主義、自由、生き方」。日本共産党志位和夫議長を講師に2時間半、24日に党本部でおこなわれました。参加した高校生から出された真剣で多彩な質問に、志位さんは縦横に答え、熱のこもった議論になりました。

 自己紹介のあと、志位さんは「人間の自由」と「自由な時間」の二つをキーワードに、新著『Q&A 共産主義と自由』の内容をページを示しながら簡潔に紹介。貧富の格差と気候危機といった根源的な問題がつきつけられている資本主義に自由はあるのかと問いかけるとともに、日本共産党がめざす社会主義共産主義社会――未来社会を「『利潤第一主義』からの自由」「人間の自由で全面的な発展」「発達した資本主義国での巨大な可能性」という「三つの角度」から語りかけました。

「自由な時間」を奪う競争教育。どうしたら変えられるか

 自由討論で高校生は活発に質問をぶつけました。

 通信制高校に通う東京の2年生は、以前通っていた高校では、競争教育のもと授業外での勉強時間が8時間を超えていて、自分の好きなことをやる時間は一切なかったと発言。「他者は踏み台であり仲間ではなかった。こうした競争教育で得をしているのは誰なのか」と質問しました。

 志位さんは、競争教育で子どもたちをふるいにかけ、一握りの「できる子」は自分たちの先兵として使い、「できない子」は劣悪な労働条件のもとで働かせる財界の教育論に原因があると指摘。それをうのみにして教育現場におしつける政府の責任を厳しく批判しました。「教員をしていた私の父は『分かる喜びを伝えるのが教育だ』と語っていました。追い立てられてやる勉強ではなく、『知りたい』という内面からの欲求に基づいた学びでこそ本当の学力が身につくと思います」と語りました。

 同じ資本主義国でも、フィンランドなど競争教育をなくしているところでは、子ども同士が教え合い、連帯感を育み、結果として学力も世界トップになっていると話しました。

 東京の1年生は「競争教育が資本主義に根差したものだとしても、変えるためにまずできることはあるか」と質問。志位さんは、まずは第1次安倍政権のとき教育基本法の改悪と一体に導入された小中学生を対象にした全国学力テストなど、政府主導で競争教育をひどくする制度を撤廃し、教育現場の自由な創意にゆだねることが必要だと語りました。

どうやったら主体性をもった学校生活をつくれるか

 「自由な時間がほしいから」と通信制を選んだ岡山の3年生は、ダンス部の部長を務める中で、「まわりの生徒に主体性を感じられないのが気になっている」と言います。「自分たちの学校生活を自分たちでつくっていくという意識がない人たちにどう働きかければいいのか」と尋ねました。

 志位さんは「十分な遊びの時間を保障することが子どもたちの人間的で自主的な能力を育むと思います。大人がつくった枠組みではなく、子ども自身が自主的に使うことができる自由な時間の中で、友だちとのさまざまな交流を豊かに育むことが、人間的な成長につながるのではないでしょうか。ダンス部の活動など、自由な時間の中でやりたいことにとりくみ、そのなかで対話や交流を広げてほしい」と激励しました。

「自由な時間」を人間の生活時間の主役に

 神奈川の2年生は「日本共産党が与党になってほしいが、日本が共産主義になったらどうなるのか」と質問しました。「共産党が与党になってほしいとはうれしい質問です」と応じた志位さんは「日本共産党としては、いきなり共産主義を目指すのではなく、段階的に社会を発展させるプログラムです。まずは、異常な米国言いなりと財界中心という二つのゆがみをただし、『国民が主人公』の日本をつくる。その先に社会主義共産主義に進む展望を持っています」と話しました。

 高度に発達した資本主義国での社会変革の展望を語りながら、その未来社会の輝きのかなめになるのが「自由な時間」だと強調。「日本の場合、今の生産力でも必要労働時間は4時間弱と言われますが、社会主義共産主義では搾取がなくなり『自由な時間』が劇的に広がる。この『自由な時間』を知的、精神的、社会的な能力の発展に使うことで、労働の質が大きく高まり、労働時間はさらに短くなり、社会はより豊かになる。そういう好循環が生まれます」と答えました。

 全労連が「7時間労働」の要求を掲げていることを紹介し、「これは1日の労働時間を7時間に短縮することで自由時間を9時間に延ばし、人間の1日の生活の中で『自由な時間』を主役にするということだという説明でした。とてもすてきな考え方ですね」と話しました。

「自由な時間」を得るだけでなく、それを「享受」する力も

 東京の2年生は「共産主義に進む中で、私たちは自由の厳しさに立ち向かっていかなければならなくなる。そうした中で人生の意味をどう考えるか」と尋ねました。

 志位さんは「自由な時間を得るだけでなく、それを「享受」する力――人間らしく使う力ということが問われてきます」とのべ、人間は労働をつうじて自然と格闘することによって、「自由な時間」を得るだけでなく、それを「享受」する力も身につけることになるという展望をマルクスは明らかにしていると答えました。

 「マルクスが『必然性の国』と呼んだ物質的生産のための労働時間の先に、『自由の国』――『自由に処分できる時間』がある。『自由』の土台となるのは物質的生産ですが、その領域において、人間が自然に立ち向かい、鍛えられることによって、物質的富とともに『自由な時間』を得て、それらを人間的に活用する、『享受』する能力を身につけることになると思います」と語りました。

社会を変えるたたかいのためにも「自由な時間」が必要

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(写真)サマーセミナーで参加者の質問に答える志位和夫議長=24日、党本部

 志位さんは、さらに、この「自由な時間」では、個人として肉体的・精神的に発展するだけでなく、社会的役割や社会的交流をつうじて発展するということもマルクスは重視していたと強調。

 「労働組合の活動も民青同盟の活動も、『自由な時間』がなかったらできません。『自由な時間』には、たんに個人として教養や精神的発展のために使う時間だけでなく、他者との社会的交流によって自分を豊かにし、社会を変えるたたかいにとりくむ時間も含まれていると思います。社会を変えるたたかいのためにも『自由な時間』をかちとることが必要なのです」とのべました。

「生産力」をどうみるか、気候危機との関係をどう考えるか

 未来社会への展望と経済成長について質問した東京の2年生に対して、志位さんは、資本主義のもとで生産力が大きく拡大することによって気候危機などが深刻化し、“生産力そのものが悪ではないか”という見方があることを指摘したうえで、「生産力をどう考えるかについて新著の中で少し踏み込んで書きました」と、その内容を語りました。

 志位さんは、

 

(1)資本主義がつくりだす高度な生産力そのものは、労働時間の抜本的短縮の条件をつくりだし、未来社会をつくる物質的土台となること、

 

(2)生産力とは、本来は、人間が自然に働きかけて、人間にとって役にたつものを生み出すための「労働の生産力」だが、資本主義のもとではそれが資本の支配のもとに置かれて、あたかも「資本の生産力」のようにあらわれ、搾取を強化したり、自然を破壊する力をふるうこと、

 

(3)未来社会に進むことによって、生産力は「資本の生産力」から抜け出して「労働の生産力」の姿をとりもどすことになること

 

 

を語りました。

 そのうえで、未来社会は、資本主義がつくりだした「高度な生産力」をただ引き継ぐのでなく、新しい質で発展させるものとなるとのべ、その内容として、

 

(1)「自由な時間」を持つ人間によって担われる

 

(2)労働者の生活向上と調和した質を持つ(3)環境保全と両立する質を持つ

 

――の3点をあげました。

 志位さんは「経済を豊かにしながら気候危機を打開する道はあります」とのべ、再生可能エネルギー省エネルギーへの抜本的移行をはかることで、2030年までに6割のCO2を削減し、それを通じて250万人以上の雇用が生まれることを、「気候危機を打開する日本共産党の2030戦略」を紹介して語りました。

宇宙の開発をどう考えるか、自然という富について

 高校生との対話は宇宙の問題にまで広がりました。「宇宙資源の開発が一握りの資本家に牛耳られてしまうことを懸念している」という栃木の3年生。「もしマルクスが生きていたらどんなことを思うと思いますか」と質問しました。

 志位さんは、宇宙もかけがえのない自然であり、その乱開発を許さない国際的なルールが必要であること、とくに軍事利用には絶対反対であることを強調しました。

 「人間は労働によって物質的富をつくり、『自由な時間』をつくり出します。それを支えているのは自然という富です。自然という富を壊すようなやり方は、マルクスは当然反対すると思います」。

 こうのべて、志位さんは、19世紀には農地の乱開発で土地の養分がなくなって荒れ地が広がる問題が起こり、マルクスは「物質代謝の攪(かく)乱」と告発したことを紹介するとともに、「今後、人類が宇宙に活動を広げることが予想されますが、宇宙という人類が生存する土台となっている自然――富を大切にするということを、人類社会として大原則に据えることが大切になってくると思います」と語りました。

若者のなかで対話を広げ、「自由な時間」を拡大するたたかいを

 千葉の2年生は「資本主義では金や物だけでなく自由な時間が奪われていて、国民が立ち上がるべきだと思うんです。若者が選挙に行き、政治を知ってもらうにはどうしたらいいか」と言います。

 志位さんはそれにはズバリ「こういうディスカッションをたくさん広げていくことではないでしょうか」と答えました。

 「きょうも、みなさんの思い、お話をずいぶん聞きました」と、「人間の自由」と「自由な時間」をめぐって熱い議論が交わされたことを振り返り「人間にとって本当の価値、本当の富は何かといった議論をみんなの要求から出発してぜひ日本中で起こしてほしい。そういうことを通じて、やっぱり『人間の自由』はたたかわないと手に入らないということが分かってくると思うんです」。

 志位さんは、

 

高校生なら「競争教育をやめて自由な時間を」、

 

大学生なら「高すぎる学費をなくしてバイト漬け生活をなくし、自由な時間を」、

 

職場であれば「賃上げ」と「労働時間の短縮」――「自由な時間」の拡大を一体で

 

――それぞれの分野で「自由な時間」を拡大する運動を起こすことを呼びかけました。

 新著を読んだあるジャーナリストが「自由に処分できる時間こそが真の富だということが国民多数の認識になったら日本は変わる」との感想を寄せてきたエピソードも紹介し「自由な時間」を取り戻す豊かな対話とたたかいの重要性を重ねて訴えました。

対話によって、豊かな知性、理性、平和をつくろう

 世界中を旅するフォトジャーナリストをめざしている東京の2年生は「ダイアログ(対話)が大事。本当にその通り」と話し、若者同士の対話、当事者との対話について志位さんの思いを聞きました。

 志位さんは“対話”を通じて真理を見いだしていったソクラテスのエピソードを紹介し、それが古代ギリシャの哲学者や近代ではヘーゲルの哲学、そしてマルクス弁証法に引き継がれたことをのべました。

 

「対話によって真理を見いだす。これこそ私たちの世界観です。今日のような対話をいろいろな形でやっていくことが新しい発見や知恵をつくりだすことになると思います。対話は平和もつくります。かつて戦乱が支配していたASEAN東南アジア諸国連合)の地域で平和の共同体を築けたのは『対話の習慣』をつくっていった結果でした。対話によって、豊かな知性、理性、平和をつくりましょう」

 

と語りかけ、高校生が世界中の人と対話しようとする思いをたたえました。

 今日のような新しい取り組みをどんどんやっていきたいとして「私一人ではできないので、ぜひみなさんがお友だちと対話を広げてほしいと思いますが賛成でしょうか」と志位さんが投げかけると「はい、賛成です」と高校生たちから声が返ってきました。

人間らしく私らしくいられるための学び

参加者の声

 セミナーを終えた高校生たちは「論理的だけど、私の経験とか感情にもつながって、人間らしく私らしくいられるための学びになりました」「学生向けの企画が多いですが、高校生向けもうれしい。今日は楽しかった」「このような対話の場が全国に広がればいいと思いました」など口々に充実感を語ります。

 そして新たな発見も――。

 「チラシに書いてあった『自由って何だろう』という言葉に興味をひかれてサマーセミナーに来た。志位さんの話を聞いて、共産主義は主に労働時間を減らしてそれぞれの自由な時間を増やし、自分の秘められた可能性を見つけられる機会をつくるというものだと学びました」「競争教育はおかしいと思っていたのは自分だけでなかった。同じ考えの人がこんなにいたんだと思いました」「自由な時間を享受できるように人間は成長していくということが新たな発見。未来社会がイメージできました」「共産主義は自由でなく、自由なのは資本主義というイメージを持たれていますが、『自由な時間』というとらえ方を聞いて目からうろこです」

 セミナー終了後、参加した3人の高校生が民青同盟に加盟しました。