徒然なる儘に ・・・ ⑤

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小池百合子都知事の公約だった「七つのゼロ」 8年間でどうなった? 東京都知事選2024東京の政治 松田果穂2024年6月16日 19時44分

 東京都知事選(20日告示、7月7日投開票)は、立候補する小池百合子知事による都政を評価する機会になる。8年前、初当選した小池氏の公約は、「七つのゼロ」だった。その後、どうなった?

 七つとは、待機児童▽満員電車▽残業▽ペットの殺処分▽介護離職▽都道沿いの電柱▽多摩格差――。ペットの殺処分は「ゼロ」を達成した。

 犬や猫の殺処分は、就任前の203匹(2015年度)が、18年度に0匹になった(病気やけがによる衰弱など生育困難な個体を除く)。目標より1年早い達成で、それ以降も続いている。ボランティア団体と協力し、保護犬や保護猫の譲渡会を増やすなどしたという。

8年前に小池知事が掲げた「七つのゼロ」。達成した項目もありますが、進捗が遅かったり、中には状況が悪化したものもあります。記事後半で、識者の考えとともに詳しく紹介します。

 待機児童も激減し、就任直前の8466人(16年4月)が286人(23年4月)になった。保育施設の増設や保育人材の確保が進み、認可・認定保育所は2342カ所(16年4月)が3611カ所(23年4月)に。定員も、全体の約3割にあたる9万人以上増えた。

 電車の混雑も、数字上は緩和した。東京圏(都内周辺)の鉄道の平均混雑率(通勤時間帯)は164%(15年度)が123%(22年度)になった。混雑率150%は「広げて楽に新聞を読める」程度、100%は「座席につくか、つり革や柱につかまることができる」程度。在宅勤務や時差出勤の推奨、都営地下鉄の車両増設などの効果も都は挙げるが、コロナ禍の影響が大きいとみられる。

「介護離職」「残業」は後退

 一方、ゼロから遠ざかった項目もある。

 都職員の「残業」は、1人あたりの月平均が、13・5時間(15年度)から16・8時間(22年度)に延びた。22年度はコロナ対応が続いており「毎月1千人以上の職員を保健所などに派遣していた」とし、影響があったと都は説明する。

 深刻なのは、「介護離職」の増加だ。

 都内で介護や看護を理由に離職した人は、21年10月~22年9月に1万4200人に上った。その5年前の約1・8倍だ(総務省の就業構造基本調査から)。都は、介護休暇制度を充実させた中小企業に対する奨励金支給やテレワーク導入支援などを進めたが、数字上は成果が上がらない。

 都の担当者は、同時期に高齢者が約6万人増えたことを要因に挙げるが、施策の周知不足など「理由は複合的」とも分析する。

 このほか、「都道沿いの電柱」は、地中化の達成度が38%(15年度末)から46%(22年度末)に。小池氏は、都が「センター・コア・エリア」と呼んで防災を重視する都心部については「100%達成した」と説明するが、進捗には時間がかかっている。

 多摩地域が、公共インフラや公的支援制度などの点で23区より劣るとされる「多摩格差」については、明確な指標がなく、「これというゴールはない」(都政策企画局担当者)とする。多摩地域では近年、創業支援拠点「TOKYO創業ステーションTAMA」や体験型英語教育施設「TOKYO GLOBAL GATEWAY GREEN SPRINGS」などが開設される一方、子どもの給食費や医療費の負担などで差はみられる。

 小池氏は7日の会見で、項目ごとに見解を述べた。介護離職については「しっかりした対応を進めていく、その礎を築いてきているのではないか」、多摩格差については、多摩都市モノレール延伸計画に触れ、「むしろ多摩の魅力を生かすことにつながるような施策を、これからも込めていく流れを作っております」などと話した。一方、同じ会見では、ゼロになっていない項目について「(公約は)『ゼロへ』と申し上げています」と強調する場面もあった。

増える介護離職者「休みやすい環境作りを」

 介護離職者の増加について、淑徳大の結城康博教授(社会福祉学)は、介護が必要な高齢者の自然増や介護人材の不足などが背景にあるとみる。「東京はサラリーマン層が多く、親族や近所との相互扶助も希薄な傾向がある。介護をしながら在宅勤務できる職種も限られる。『働きながらの介護』には限界がある」と分析。減少には、親の介護が増える「管理職世代」が休みやすい環境作りが必要だと指摘する。「企業により高いインセンティブをつけるなどして介護休暇の取得率を上げなければ、今後、事態はより深刻になる」と警鐘を鳴らす。

 一方、激減した待機児童について、保育園に子どもを通わせる保護者らでつくる「保育園を考える親の会」顧問の普光院亜紀さんは「財政力が高い東京は、保育士の処遇改善が他の自治体より抜きんでている。保育所などの無償化も国より手厚い」と評価する。

 ただ、保育施設の急増で、施設の運営状態を検査する「指導監査」が行き届いていない面もあるとして「質の心配はある」と指摘する。「子どもの安全確保のため、数だけでなく質の確保にも力を入れる施策を期待したい」と話す。(松田果穂)