徒然なる儘に ・・・ ⑤

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<産経抄>難題山積みの都政、知事選へ 2024/6/13 05:00

東京都議会の本会議に臨む小池百合子知事=12日午後

大勢の人が寄り集まっているさまを、「黒山」という。なじみ深い表現でありながら、不思議な言葉でもある。その前提は、日本人の髪の黒さかもしれない。捉えようによっては、群がる人々の若さを前提としたようにも見える。

▼美しい比喩を育んだ先人が高齢化の進む現代の世情に接したなら、あわてて他の表現に知恵を絞るかもしれない。付け加えれば、若者の予備軍である子供の数も近年は減り方が著しい。やがて「白頭の人だかり」などと書くようになるのだろうか。

▼思えば新型コロナ禍の中で行われた4年前の東京都知事選も、「黒山」の印象は薄い。小池百合子氏は街頭に出ることなく、「巣ごもり」選挙で再選を果たした。他の候補者の演説に人垣ができたこともあるにはあった。目についたのはしかし、人々の着けたマスクの白である。

▼小池氏が3選に向けた出馬意向を表明した。都政改革の歩みを止めるわけにいかないという。公約の具体的な中身は聴衆の前で語られることだろう。ただし、自身が進めてきた手厚い少子化対策をよそに、東京の出生率は0・99と1を切っている。

▼介護離職や満員電車の解消など、うたい続ける「7つのゼロ」も厳しく採点されよう。主立つ候補者の中では、蓮舫氏が小池都政の「リセット」を掲げておきながら、まだ公約を示していない。都民約1400万人の暮らしに関わる難題が山と積まれた現状を前にして、である。

▼胸一つでリセットできるほど、軽いものでないことは肝に銘じてほしい。今回の選挙は自粛ムードも行動の制約もない。街頭で黒山をなす一人となり、候補者を見定めようという有権者は多かろう。髪の色もとりどりな若者が耳を傾ける図になれば、なおよい。